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私が突発性難聴を発症して完治するまでの話1(発症から治療開始まで)

私は人生40年近く生きてきた中で、幸いにも大きな病気になったことはありませんでした。

 

そんな私が、突発性難聴にかかりました。

 

この時の経緯や感情の動きを記録しておくことが、もしかしたら誰かの役に立つかもしれないと思ったので、ブログに書き起こすことにしました。

 

突発性難聴はいきなり発症する

発症当時の状況ははっきりと覚えています。2021年6月10日、朝6時半頃でした。

 

目覚めた瞬間、右耳に異変が起こっていることにすぐ気づきました。。。右耳から音が消えているのです。

 

周囲の音は聞こえてはいます。しかし、右耳の周りに分厚い水の膜を張ったかのように、右からの音が入ってこないのです。

 

「あれ?なんだこれ?右耳、聞こえてない??」

 

 

右耳の周りを触ったり、右耳の近くで人差し指と親指をこすってみたりしても、かすかに音が聞こえるだけです、左側から。

 

さらには、右耳から「シュー」、「サー」、「キー」みたいなかすかな音が聞こえています。いわゆる耳鳴りが続いていました。

 

この時はしばらくしたら治まるだろうと思い、いつもどおり朝ごはんを用意し、娘を保育園に送りました。

 

午前中までは普通に自宅で仕事(テレワーク)をしていました。ですが、右耳の状況は一向に変わりません。

 

正午前になるとさすがに不安になり、インターネットでこの症状について調べはじめました。そこで出てきたのが、

 

突発性難聴

 

という病気でした。テレビで芸能人やらアーティストが突発性難聴になった、なんて話は聞いたことがありました。ですが、まさか、この超健康体の自分が突発性難聴になった?

 

にわかには信じられません。

 

さらに調べると、もっとショッキングな情報が出てきます。

 

「脳腫瘍など、脳神経へのダメージが原因で難聴の症状が出ることがある」のだそうです。

 

「俺、もしかして脳腫瘍なのか?」

 

こうなるともう、あらゆるネガティブな想像が湧き上がってきます。不安で仕方ありません。

 

妻にも症状を伝え、一番近所にあった耳鼻科を予約し、午後2時頃に受診しました。

 

耳鼻科は近所でいいからとにかく早く受診

近所の耳鼻科に行って女医の先生に症状を話すと、「あー、なるほど」と案外冷静な対応でした。

 

「まずは耳を診せていただきまーす」

 

 

と、明るい口調で診察台に誘導されました。しばらく耳の中を観察すると、

 

「だいぶ耳垢が溜まってますね。これ、取るだけで聞こえるようになるんじゃないかな?」

 

とのこと。え、そうなの?そんなもん?とちょっと気持ちが軽くなりました。

 

期待をいだきながら、耳カスを取る掃除機のようなものでシュイーン、と耳の中を吸引されました。

 

「はーい、きれいになりましたね。だいぶ取れましたよ!聞こえはどうです?」

「。。。。全然変わってないす」

 

原因はやはり耳垢ではなかったようです。

 

次に、聴力検査に回されました。健康診断でおなじみの、ヘッドフォンつけて、音が聞こえている間、ボタンを押すアレです。

 

 

まずは左耳からです。左は普通に聞こえました。よし。大丈夫。

 

問題は右耳です。右の検査結果が悪くなりそうなことは自分でもわかっていたので、ちょっとムキになって聞こえたことにしたいという意地みたいなものが生じました。

 

(当てずっぽうでボタン押しても結果には影響がでないように技師の人が確認したりしてきますので、意味ないのですが。。)

 

必死で耳を澄ませて聞こうとしたものの、右耳はやはり聞こえていませんでした。

 

聴力はdB(デシベル)という音の大きさの単位で測定結果がでます。検査後、右耳の結果を見せてもらったときは、愕然としました。

 

下の画像が実際の測定結果です。

 

 

点線と「✗」で表示されているのが、問題のない左耳、実線と「○」が悪い方の右耳です。

 

右耳の方がデシベル値が高いのですが、それだけ大きな音を鳴らさないと聞き取れなかった、ということです。

 

左が平均10dBくらいなのに比べて、右は平均65dBくらいでしょうか。55dBの差があります。

 

普通の会話の大きさが約60dBの大きさなので、私の右耳は会話がほとんど聞き取れない状態になっているということです。

 

これを見たら、さっきまで明るい対応だった先生の声色が急に変わりました。

 

「突発性難聴と診断できますね。結構。。。悪いですね。」

 

続けて先生が言います

 

「通常だとステロイド剤で耳の神経の炎症を抑える処方をします。今日から薬を飲み始めて、1週間後に状態をもう一度診ましょう。場合によっては入院治療ですね。」

 

急に入院の話まで出てきて、正直ビビリました。入院はおろか病院に通うことさえほとんどなかった人間ですので、まるで余命宣告でもされているかのようなショックでした。

 

先生に投げかけた質問と、それに対する回答は以下のような感じでした。

 

  • Q. 突発性難聴ってどういう原因で発症するんですか?
  • A. 一般的に原因は不明です。突発性難聴のメカニズムはまだ良くわかってないです。

 

  • Q.入院治療ってどういう治療なんですか?
  • A.ステロイド剤の点滴です。飲み薬のステロイド剤で改善しない場合に、より強いステロイド剤治療をします。

 

  • Q.ステロイド剤って副作用はないんですか?
  • A.免疫を抑える効果があるので、それに伴って感染症のリスクは高まったりします。

 

  • Q.突発性難聴って自然治癒することもありますか?
  • A.自然治癒はしないです。治したければ、治療せずに放置するという選択肢は無いですね

 

質問すればするほど、「やばい病気にかかってしまった」という思いが強くなってきました。

 

先生の説明を聞いていて怖かったです。

 

後で知ったのですが、突発性難聴は発症から2週間以内に治療を開始しないと、予後が悪くなることが多いそう。

 

その点、発症初日に病院に行こうと決めた当時の自分自身に対して、我ながら良い判断をしたと思いました。

 

治療開始

診察当日、以下の薬を処方してもらいました。

 

  • プレドニゾロン = ステロイド剤
  • メチコバール  = ビタミンBの薬
  • ラベプラゾール = 胃の粘膜を保護する薬
  • アデホスコーワ顆粒 = めまいの薬

 

この中で突発性難聴治療のキーになるのが、1つ目のステロイド剤です。これは免疫の活動を抑える小さな錠剤です。

 

先生は「今日から早速飲みはじめなさい。治療は一刻も早く開始しないといけない。」

 

とおっしゃっていたので、その指示通り、薬局に行った後、近くのカフェに入ってすぐに飲みました。

 

家に帰って妻に診断結果を説明し、もしかすると入院するかもしれないと伝えると、かなりおどろいていました。

 

入院と聞いて、妻は最初、別の病気があるのかと思ったそうなのですが、そうでは無くて耳の治療のために入院が必要かもしれないんだと説明しました。

 

ともかく、今は薬を飲んで回復を待つしかありません。右耳は全く聞こえないままで、朝よりも少し悪くなってきている感じがしました。

 

妻が話しかけているのにも気づかないくらいで、耳鳴りの「キー、シー」という音も大きくなっている気がしました。

 

その夜、静かな寝室で横になり、ずっと耳鳴りを聞きながら眠りにつきました。

 

「明日になったら何事もなく聞こえるようになってるかもな」

 

その時はまだ、結構楽観的だったと思います。

 

続きます。

 

私が突発性難聴を発症して完治するまでの話2(入院するまで)

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