前回の記事で、突発性難聴の治療で1週間の入院が決まるところまでお話しました。
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私が突発性難聴を発症して完治するまでの話2(入院するまで)
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今回は入院治療中の1週間について書きたいと思います。
入院の手続き
虎の門のXX病院の入院相談窓口で、担当者の女性からいろいろな説明を受けました。
この時初めて知ったのですが、入院もホテルと同じで空室確認と予約が必要です。
先生が明日から入院しなさいと言ったからといって、必ずしも明日から入れる病室があるとは限らないのです。
また、病室にはグレードがあります。通常の治療に必要とされる最低限の部屋は「無料室」と呼ばれ、病室の利用に対してコストがかかりません。
いわゆる差額ベッド代がゼロの部屋です。
無料室以外の部屋は有料室で、無料室よりも設備が良い相部屋だったり、WiFiとシャワールーム完備の個室、さらに豪華な特別個室と、何段階かにグレードがわかれています。
私は部屋にこだわりが無かったので「無料室を希望」と申込用紙に記入して提出しました。
すると申込用紙を見た窓口の女性から、次のように聞かれました
女性:「今から病室の空き状況を確認します。今の段階では無料室に空きがあるかわかりませんので、明日(入院当日)にお部屋をお伝えします。もし無料室に空きが無い場合は、有料室からお探ししても良いですか?」
私:「えーっと、明日になっても無料室が見つからない場合はどうなるんですか?」
女性:「その場合は先生と相談の上で、入院予定日を変更いただくことになります。」
私:「先生からは早く入院するように言われていて、自分も明日から入院希望なのですが。。」
女性:「で、あれば”有料室を希望する”に○をしても良いですか?」
私:「有料室を希望に○をしないと明日から入院できないかもしれないということであれば、しょうがないですね。はい。”有料室を希望する”で良いです。」
後で知ったのですが、実は、治療の必要上でやむなく急に入院する場合で、無料室に空きがなく、かつ患者が「無料室のみ」を希望しているときは、病院は差額ベッド代を請求してはならないことになっています(※)
※ 厚労省通達 保 医 発 0 3 0 5 第 6 号 第3 12項 i)(8)③
しかしながら「有料室を希望する」と申込み用紙に書いてしまうと、治療の必要上急いで入院した場合であっても、患者が有料室を希望したという扱いになり、差額ベッド代を患者に請求できることになるのです。
入院の申込み時、安易に「有料室を希望」と書いてしまったばかりに、後で病院と少しモメることになってしまいました。。。
病室の選択は慎重に行ってください。
この他、病院によりけりですがいろいろな用紙に署名捺印をして入院当日に持ってくるように言われます。
私の場合、提出書類は以下の通りでした。
- 入院申込書
- 宣誓書(入院中は病院の規定に従います、と約束するもの)
- 身元引受人の署名(妻に書いてもらいました)
- 包括同意に関する同意書(病院が医療行為を行うことに同意します、という内容です。宣誓書よりも病院との契約に近いものです)
その他、提出書類ではないですが健康保険証、診察券、医療券を持っている人は医療券などを持っていく必要があります。
入院の準備
家に帰ると、まずはテレワーク中だった妻に明日から入院することになった事情を説明しました。
妻は思ったよりも冷静で「じゃあ、朝の保育園の準備も私がやんなきゃだね。1週間も居なくなる分のおかえしはしっかりしてもらうからね♡」とのこと。
次に、実家の母に入院することになった経緯をLINEで説明しました。
このときまで突発性難聴にかかったことも言ってなかったので、母はたいそう驚いていました。病気と無縁だった息子が入院するので、無理もないかと思いました。
さらに、仕事の関係者にも入院でしばらく休むことを伝えました。幸い右耳以外は全く健康なので、必要があれば病院で仕事の対応はできると言っておきました。
持ち物として準備したのは以下の通りでした。
- Tシャツ7日分
- 下着7日分
- ハーフパンツ4枚
- バスタオル3枚
- タオル4枚
- 歯磨きセット・ひげ剃り・洗顔・シャンプー
- 仕事用PC・充電器
- iPhone・iPad
- 本(応用情報技術者試験の過去問)
- 財布
- 必要書類
入院当日
入院初日(2021年6月15日)は9時までに来院せよとのことだったので、8時に娘を保育園に預けたあと家に戻り、荷物を持ってすぐに出かけました。
1歳の子供といえど、いつもと少し違う父の様子に勘付いていたのか、保育園で別れる際に不安げな表情を浮かべていました。
病院という場所に荷物の詰まったスーツケースをガラガラ引っ張っていくのにとても違和感を感じつつ、病院に着くと、まずは入院受付という外来受付とは違う場所に行かないといけません。
入院受付で提出書類を一式提出した後、担当の女性から病室についてこんな説明がありました。
女性:「無料室ご希望とのことだったのですが、本日時点で部屋に空きがありません。中野様は有料室でもOKとのことでしたので、有料室にさせていただきました。」
私:「え!1週間ずっと空きが無いんですか??ちなみに部屋代って1日いくらですか?」
女性:「税込みで1日7700円です。無料部屋に空きが出た時点で部屋をかえることもできなくはないのですが、有料室もご希望でしたよね?」
私:「いや、そりゃ、今日から入院するためには有料室希望って書いとけって言われたからであって、別に有料室希望じゃないです。」
女性:「では、無料室に空きができ次第、お部屋の移動を希望ということにしておきましょうか?ちなみに、今回の有料室は4人部屋でして、隣のベッドとの間に簡易のクローゼット兼仕切りがついています。」
私:「無料室と有料室の違いってほかには何があるんですか?」
女性:「このクローゼット以外には、、、特にないですけど、テレビと冷蔵庫は自由にお使いいただけます。無料室は隣のベッドとカーテンで仕切られているだけで、テレビと冷蔵庫の使用は1日1000円となります。」
私:(仕切り、テレビ、冷蔵庫だけで1日7700円は高すぎやろ。。。テレビとか見ないしクローゼットに入れるほど荷物もないし。。)「わかりました。できるだけ早く無料室に移動させてもらえるよう、お願いします。」
と、そんなこんなで病室の決まり方にちょっとイラッとしながら入院手続きを終えました。
入院生活開始
最近は、どの病院も新型コロナ感染に相当敏感になっています。病院で集団感染したらえらいことですので。
ですから、入院病棟に入る前に、体温測定、抗原検査、手指消毒を徹底してやらされます。
さらに、自分ひとりでは病棟に入ることができません。病棟に入る直前の自動ドアにインターホンがついており、そこで中にいる看護師さんを呼び、名前を伝えてからドアを開けてもらう必要があります。
さらには、患者へのお見舞いは禁止、家族も病棟にはいることは許されておらず、患者の外出も1階下にある病棟内のコンビニまで、という徹底ぶりです。
ここで1週間も過ごすのかと思うと、本当に気が滅入りました。
そういえば、耳の聞こえも昨日より少し悪化している気がします。耳鳴りも大きくなってきている感じがしていました。
だいぶ不安な気持ちで自分の病室にたどり着きました。
病室には他に2人位患者さんがいましたが、カーテンで仕切られていて姿は見えません。
担当の看護師が来るまで待てと言われたので、Tシャツハーフパンツの楽な格好に着替えてベッドでゴロゴロしました。
しばらくすると担当の看護師さんがやってきて、入院中の治療・過ごしかたなどの説明がありました。主なところは以下のとおりです。
- これから7日間、ステロイド剤の点滴治療を行います。
- めまいの薬、ビタミン剤、胃を守る薬といった薬の処方も継続します。
- 基本的に午前中に点滴を1時間。その他は特にやることなしなので、好きに過ごしてくださいね。
- 外出はできないので、運動したい場合は病棟内を歩いたり、下のコンビニに行くくらいですかね〜
- 主治医(または他の担当医)の先生が1日1回、様子を見に来ます。病状で不安なことは先生に何でも話してくださいね。
点滴治療するとはいえ、絶対安静というわけではなく、基本的に運動もOKです。むしろ軽く動いて血流を促すほうが良いとか。
で、病院によるとは思いますが、ここで入院療養計画書なるものにサインを求められました。
担当医が誰で、入院期間がいつまでの予定で、どういう治療するのか、みたいなことが書いてあります。
またサインかよ、と思いつつよく読んでみると、この計画書には希望する病室の欄もありました。
現在は希望とは違う有料室に入っているので、有料室に✔がついていました。
細かいことを言うと看護師にめんどくさがられるかも、と思いながらも、入院手続きの際に病室選択の意思表示をミスってしまったという意識があったため、次のように伝えて、計画書にサインはしませんでした。
「あの、病室の選択が有料室になってますけど、元々無料室の希望だったんです。空きがないから仕方なくこちらの部屋になっちゃっただけなんで、有料室希望と書いてあるのは間違いです。」
看護師さん的にはこんなこという患者は初めてだったのか、戸惑いながら「わかりました。看護師長とも相談して書き直しますね。」と、こちらの希望を理解してくれたようでした。
さて、この記事がだいぶ長くなってしまったので、2日以降の入院生活については別の記事で書こうと思います。
それでは。